KANEKO Shinichi【 ghost 】画集+額装セット
現代アーティスト兼子真一が、制作の日々からのがれ Instagram Stories に描きつづけたドローイングシリーズを画集にしました。見間違いから生まれた「ghost」たちは、作家にとって、作品になる前のアイデアの源泉です。本来なら通り過ぎて行くヴィジョン、創造・想像の出発点である見間違いという錯覚を描き留めた「ghost」シリーズを、デザイン・製本のプロが集いひとつひとつ手作業で制作しました。プレミアムな装丁の画集と額装された絵のセットです。気に入ったページの絵を額装して楽しむことができます。
■KANEKO Shinichi【 ghost 】画集+額セット
・2色展開(蛍光ピンクor 蛍光イエロー)どちらかをお選びください。
・画集:148×210 mm
・額:アルミ細額(シルバー)、205×257mm
・サインあり(専用BOX内に記入)
※ 商品発送の準備に1〜2週間程の時間を頂いております。ご了承ください。
アーティスト:兼子真一
協力:AD/徳原賢弥
製本設計/伊藤翔太
_______________________________________
作品について
【 ghost 】
日常に見つけた「ghost」をInstagram Storiesに描く。
毎日の制作。作品に何かを見つけようとする日々を送るが、そこに答えが無いのはなんとなく気付いている。数十年も答えを探して制作しているのだから流石に気付いてくるのだ。僕はずっと、見つからない答えを探し続けている。
そんな訳で、好きでやっているとはいえ追い詰められる時がある。無い答えを求めて「もう少しで解りそうなのに!」と頭を抱えてアトリエを飛び出す日々を送るのがアーティストという生き物なのだ。
終わらぬ日々の中で僕は、その愚かさから逃避する術を編み出した。それは、何も考えないで世の中を自由に見間違えようという現実逃避である。21世紀最大の発明であるスマートフォンを片手にInstagram Storiesに指で見間違えた世界を描く。そこには愚かな悩みは無く零れ落ちる笑みしかない。僕はこのシリーズを「ghost」と名付け、日々散歩コースの景色を見ては見間違えた世界を描いて癒されている。
暫くしてふと気付いたことがある。僕が見間違うのと同じように、人は無意識に世界を違う何かに取替えて認知しているということである。僕たちが捉える世界とは、間違いから連想ゲームのように形を変えて生まれ変わったものなのだ。幽霊や妖怪や神様だって草木や暗闇やシミから生み出された。そんな真実に触れて周囲を見渡せば、世界は「ghost」だらけである。創造・想像の出発点は見間違いという錯覚だ。僕は興奮気味に「ghost」を見つけて、現実逃避で始めた無意味な絵にまた答えを見つけようとしている自分にゾッとしたのだった。
さて、ここまで進めば遊びの表現も作品として成立する程に熟成されている。オンラインで発表するにもってこいのプロジェクトである。KANEKO Shinichi. online vol.3として発表したい。現在進行しているのは、「ghost」の画集である。遊びの絵をデザイン・製本のプロが集い真剣に手作りで製本していく贅沢な作品である。好きな絵を額装も出来る+αも考えている。来年ここでの発表・販売を目標にして、手作業で作る製本の過程も商品ページにあげていくので、楽しんでいただければと思う。
アーティスト:兼子真一 2020